2011年8月3日水曜日

コクゾウムシ(※虫注意)

コクゾウムシってご存知ですか?
漢字で表記すると「穀象虫」と言って文字通り穀物に付く象さんみたいな虫なんです。
身近なところでは暖かくなるとお米によく湧くので自分でお米を炊く人ならこの時期一度は見たことはあるかもしれません。

虫は苦手な僕がカワイイと認める数少ないコクゾウムシがたまたまうちの米びつに湧いていたのでうれしくて写真撮ってしまいました。

虫はどんなものも見るだけでも絶対嫌!虫なんて滅びてしまえ!クソックソッ!
て人以外は是非続きをどうぞ






じゃーん
どうです。虫だけどちょっとカワイイでしょう?
体長はわずか2,3mm。象さんみたいとは言っても現在の象じゃなくて古代のパレオマストドン等のその祖先の種に形は近いですね。


え?キモイ?


そうか・・・・やはりそうですか、実は妻にもこの愛らしさは全く理解されませんでした。


ちなみにコクゾウムシは米びつにどこからか入り込んでくるわけではなく、元々稲穂の段階から成虫によって卵を産みつけられた米が、精米、出荷を経て各家庭での貯蔵中にある一定以上の気温の元で孵化するのです。


コクゾウムシは人間様の米を食い荒らす立派な害虫に分類されますが、米の中に産み付けられた卵が孵化して成虫として出てくるまで米を食べ、米にしか触れないので病原菌を媒介するようなこともなく、たとえ米に湧いていたとしても 黒っぽくて目立つので米を研ぐときにでも取り除けば良いし、よしんば気づかず米と一緒にコクゾウムシを炊いてしまってそのまま食べてしまっても人体に害はありませんのでご安心ください。

ごましおなんかかけたご飯ならもはやコクゾウムシとゴマの区別をするのは困難でしょうねウフフフ。

それでも一緒に炊いたり食べちゃったりするのはちょっと抵抗ありますよね。
カワイイカワイイ言ってる僕だってどんぶり一杯コクゾウムシ食べろといわれたら全力でお断りします。

それを防ぐためには、まず米の中にある程度は卵があるものとして(多くの市販されている精米済みの米は最先端技術によって出荷前に厳しく米が選別されていて最近ではあまり貯穀害虫の発生はないそうですがそれも完璧ではありません)、孵化させないようにするのが第一。つまり貯蔵温度を孵化に必要な温度より低く保つことです。孵化に必要な温度が25℃~30℃なので米びつのある場所を25度未満に保つことで成虫の発生を抑制することができます。

一生懸命米の荒地をのぼったりおりたり。絶対カワイイって。
ただ実際、大きい冷蔵庫でもない限りなかなか夏場に常時25℃未満の貯蔵場所を確保することが難しいので、もしコクゾウムシが出てきたらさらなる繁殖を防ぐためにときどき米びつの中の米を全部戸外で陰干しするのがオススメです。

陰干しの様子。直射日光に当てるとお米の味が落ちるらしいです。
上のカワイイコクゾウムシの写真はこの陰干しの最中に撮ったものですが、新聞紙に米を敷いた途端クモの子を散らすように十数匹いたコクゾウムシが米から出てきてものの30分くらいで新聞紙を歩いてどこかにいってしまいました。

コクゾウムシの光を嫌う習性を利用した駆除方法なのですが、この方法は孵化して米から出てきた成虫にしか効果がないので卵や幼虫が米の中にいる限り気温が低くなるまで延々繰り返さなければいけないのが難点です。頑張りましょう。僕もがんばります。コクゾウムシは米ぬかやこぼれている米粒ひとつでも産卵するので、このときに空になった米びつは洗って清潔にしておくとなお良いです。

あまりたくさん米を食い散らかされると米の品質が落ちマズくなりますが、害虫ってだけでこんなにかわいいコクゾウムシをあまり毛嫌いしないで日本人みんなで上手に付き合っていけるといいなと思います。

が、同じ米につく害虫でもノシメマダラメイガ(リンク先、虫画像注意!)はムリ。キモイ!絶滅してしまえ!

0 件のコメント:

コメントを投稿